2026-06-08SALON STOCK編集部(現役美容師運営)

美容室の発注を半自動化する方法|アラートからワンタップ発注までの流れ

「発注し忘れて施術中に在庫が切れた」「多めに頼みすぎて棚が溢れている」——発注まわりのトラブルは、どれだけ気をつけても"頭の中の管理"では繰り返されます。

解決策は、発注を"半自動化"して、判断だけに集中できる仕組みをつくること。アラートで気づき、自動計算された数量を確認し、ワンタップで発注する。この流れができれば、発注業務にかけていた時間と精神的な負担は大きく減ります。

この記事では、手動発注の問題点を整理したうえで、半自動化の5つのステップを具体的に解説します。

手動発注の3つの問題

まず、「感覚で発注している」状態がどんなリスクを生んでいるかを整理します。

1. 忘れる

営業中は施術に集中しているので、「あとで発注しよう」と思っても営業後にはすっかり頭から抜けている。翌朝、棚を開けて「あ、なかった」と気づくパターンです。欠品すると代替品で対応するか、近くの卸まで買いに走ることになり、施術のクオリティにも時間にも影響します。

2. 感覚頼りで数量がブレる

「たぶんあと2本あったはず」という記憶ベースの発注は、多すぎたり少なすぎたりを繰り返します。過剰在庫は使用期限切れの廃棄リスクを生み、月1万円分の薬剤を廃棄すれば年間12万円の損失です。逆に足りなければ、また追加発注で送料が余計にかかります。

3. 履歴が残らない

いつ・何を・いくらで頼んだか。手書きメモや記憶頼みでは振り返りができません。「先月の発注金額はいくらだった?」と聞かれても即答できない。材料費率(売上に対する材料費の割合。目安は8〜12%)を改善したくても、データがなければ手の打ちようがありません。

「半自動化」の全体像:5つのステップ

発注の半自動化は、次の5ステップで成り立ちます。1つずつ仕組みにしていくことで、発注業務が「考えなくても回る」状態に近づきます。

ステップ1:発注点を設定する

発注点とは、「在庫がここまで減ったら発注するライン」のこと。たとえばカラー剤の6トーンのアッシュを月に8本使い、入荷まで3日かかるなら、発注点は「残り2本」あたりが目安です。

この数字を一度アプリに登録しておけば、在庫がラインを割った瞬間に自動で検知されます。頭で覚えておく必要はありません。

発注点の計算方法を詳しく知りたい方は「発注点(リオーダーポイント)の計算方法をやさしく解説」をあわせてどうぞ。

ステップ2:アラートが届く

在庫が発注点を下回ると、LINEやアプリのプッシュ通知で「要発注」のアラートが届きます。施術中にアプリを開く必要はなく、休憩時間にLINEを確認するだけで「今日、何を発注すべきか」がわかります。

ポイントは、自分から在庫を確認しにいかなくても、向こうから知らせてくれること。確認の手間がゼロになるだけで、忘れのリスクは激減します。

LINE通知の詳しい使い方は「美容室の在庫管理をLINEで完結。発注アラートから月次レポートまで」で解説しています。

ステップ3:発注ドラフトが自動生成される

アラートが届くだけでなく、適正在庫(理想の在庫水準)と現在庫の差分から、発注数量が自動で計算されます。たとえば適正在庫が5本で現在庫が1本なら、ドラフトには「4本」と表示される仕組みです。

これにより、「何本頼めばいいんだっけ」と考える時間がなくなります。数量の計算ミスによる過剰在庫・欠品も防げます。

ステップ4:確認して確定する

自動生成されたドラフトを確認し、問題なければワンタップで発注を確定します。ディーラーの発注サイトへの直接リンクも用意されているので、確定後すぐに発注画面へ移れます。

この「確認して確定する」ステップがあるのが、完全自動ではなく"半自動"と呼んでいる理由です(詳しくは後述します)。

ステップ5:履歴が残る

確定した発注は自動で記録されます。いつ・何を・何本・いくらで頼んだかが蓄積されるので、月ごとの発注金額の推移や材料費率のトレンドが一目でわかるようになります。

「先月より発注額が2万円増えている。新色を多めに仕入れたからか」——こうした振り返りができるようになると、仕入れの無駄を具体的に削れるようになります。

材料費率の考え方は「美容室の材料費率とは?平均の目安・計算方法・下げる方法」で詳しく解説しています。

「完全自動」ではなく「半自動」にする理由

ここまで読んで、「全部自動にしてくれればもっとラクなのに」と思うかもしれません。でも、実際のサロンワークでは最終判断を人がする余地が必要です。

たとえば、こんな場面があります。

  • 「来週は予約が少ないから、カラー剤は今回少なめでいい」
  • 「この色味、最近あまり出ないから次回の発注でまとめよう」
  • 「新しいブリーチを試したいから、いつもの分を1本減らしてそちらに回そう」

これらはAIや計算式だけでは判断できない、現場の肌感覚です。だからこそ、計算と通知は自動化して、最終確認だけ自分でやるという「半自動」が、サロンの発注には一番フィットします。

送料無料ラインを活用する

多くのディーラーには「合計金額が一定を超えると送料無料」というラインがあります。たとえば1回の発注が8,000円で送料が600円かかるなら、送料込みの実質コストは割高です。

SALON STOCKでは、発注ドラフトに合計金額が表示されるので、「あと1,000円分追加すれば送料無料になる」という判断がしやすくなります。近いうちに使う消耗品を足して送料無料ラインを超える——これだけで、年間で数千円から1万円以上の送料を節約できます。

発注曜日を設定して、通知を最適化する

ディーラーによって「月曜注文は水曜着」「木曜注文は翌月曜着」のように、発注日と入荷日の関係が決まっていることがあります。

SALON STOCKではディーラーごとに発注曜日を設定できるので、該当日だけアラートが届くようにできます。毎日通知が来て煩わしい、ということがなくなり、「今日は発注日だ」という意識も自然に習慣化します。

月曜日にA社、木曜日にB社——こうしたリズムができると、発注業務が週のルーティンに組み込まれて、さらに忘れにくくなります。

まとめ

  • 手動発注には「忘れる」「感覚頼り」「履歴なし」の3つの問題がある
  • 半自動化は、発注点設定 → アラート → ドラフト自動生成 → 確認・確定 → 履歴蓄積の5ステップ
  • 最終確認を人がやる「半自動」が、現場の判断を活かせるベストなバランス
  • 送料無料ラインの活用と発注曜日の設定で、さらにムダを減らせる
  • 発注の仕組み化は、材料費率の改善に直結する

発注の仕組みづくりの第一歩として、「美容室の発注ミスを防ぐ仕組み|発注点と適正在庫の考え方」もあわせて読んでみてください。


1人サロンはずっと無料。まずは"今の数字"を知ることから。 App Storeでダウンロード / LINEで使い方を見る


あわせて読みたい


この記事を書いた人: 表参道の美容室で働きながら、美容師のための在庫管理アプリ「SALON STOCK」を開発・運営しています。発注や在庫管理の悩みはLINEからお気軽にどうぞ。

材料費の見える化、はじめませんか?

SALON STOCKは美容室専用の在庫管理アプリ。バーコードで商品を登録するだけで、在庫・発注・材料費をまとめて管理できます。1人サロンはずっと無料。