2026-09-04SALON STOCK編集部(現役美容師運営)

美容室にiPadを1台置くなら決めたい3つのこと|共有端末の作り方

サロンにiPadを1台置くと、思っていたより多くのことが1台に集まります。在庫の確認、今日の発注、今月の材料費、それに施術タイマー。バックヤードや受付の決まった場所にあるだけで、「あとで確認しよう」が「今、見た」に変わります。

ただし、共有の端末はスマホとは性格が違います。誰でも触れるからです。置いてから困らないように、先に決めておきたいことが3つあります。

共有iPadを置く前に決める3つ。誰が触るか、何を見せるか、どこに置くか

1. 誰が触るか(アカウントの話)

一番はじめに決めるのはここです。共有のiPadは「店の1台」として1つのアカウントでログインしておくことになります。つまり、そのiPadで行われた操作は、すべてそのアカウントの操作として記録されます。

SALON STOCKは在庫が動いたときに「誰が・いつ・なぜ動かしたか」を履歴として残しますが、共有端末から動かせば、残るのは共有アカウントの名前です。「このシャンプー、誰が最後に触ったんだろう」を追いたい場面では、これは弱点になります。

なので、目安はこう考えてください。

  • 数を見る・発注を決める……共有のiPadでいい
  • 在庫を動かす(使った分を引く・棚卸しする)……できれば各自のiPhoneから

スタッフが2人以上のサロンでは、それぞれに自分のログインを渡せます(SALON STOCKではスタッフを2人目として追加した時点でチームプランになります)。共有iPadは「みんなで見る画面」、個人のスマホは「自分の操作を記録する画面」。この2階建てにしておくと、あとから履歴を追えなくなる事故が起きません。

2. 何を見せるか(数字の話)

共有端末に在庫アプリを開いておくと、材料費や発注金額が画面に出ます。ここはサロンによって考え方が割れるところです。

見せる派:材料費を全員が見ていると、「この薬剤、思ったより高いんだ」という感覚が共有されます。ロスが減るのは、注意されたときではなく、金額を自分の目で見たときです。

見せない派:数字は経営者の判断材料であって、スタッフの評価材料ではない。見せることでかえって萎縮したり、安い薬剤を選ぶようになったりするのは本意ではない、という考え方です。

どちらが正しいということはありません。ただ、決めないまま置くのが一番よくないとは言えます。置いてから「あれ、これ見えちゃってるな」と気づいて慌てて閉じる、というのが一番気まずいので、置く前に一度だけ考えてみてください。

僕自身は「材料費は見せる、売上は見せない」で運用しています。材料は全員が触るものなので数字も共有したい。売上は僕が背負う数字なので、共有の画面には出さない。そういう線引きです。

3. どこに置くか(場所の話)

置き場所で決まるのは、使われるかどうかです。条件は3つあります。

  • 通りがかりに目が入ること。引き出しやロッカーの中に片づけた瞬間、その端末は無いのと同じになります
  • 電源が近いこと。充電が切れた共有端末ほど、しらけるものはありません。ケーブルは挿しっぱなしが正解です
  • その作業の場所に近いこと。在庫を見るならバックヤード、フロアの時間を見るなら受付やセット面から見える位置

在庫と発注のためのiPadなら、バックヤードの棚の近くが一番です。「これ減ってるな」と思った視線の先に端末がある、という配置にしてください。判断と操作のあいだに歩数が入ると、それだけで習慣は途切れます。

1台に何をまとめられるか

置き場所によって、同じ1台の役割が変わります。

バックヤードに置くなら――在庫と発注の定位置になります。SALON STOCKをiPadで横向きに開くと、左に今の数字(材料費・要発注・入荷待ち)、右に今日やること(発注アクションと要発注リスト)が同時に並びます。朝いちばんに開くだけで、今月いくら使っているかと今日どこに頼むかが分かります。

受付やフロアから見える場所に置くなら――時間の共有に使えます。姉妹アプリの「SALON TIMER」は、同じアカウントでiPadでも開けるので、フロア全員の施術時間を1枚のボードとして見られます。「今鳴ったの、どの席?」がなくなります。

どちらの使い方も、iPad側に特別な設定は要りません。iPhoneと同じアカウントでログインするだけです。

置く前のチェックリスト

  • 共有アカウントで開くか、オーナー個人のアカウントで開くかを決めた
  • 在庫を動かす操作は各自のスマホからにするか、共有端末でもよしとするかを決めた
  • 画面に出る数字(材料費・発注金額)を、スタッフに見せるかどうかを決めた
  • 置き場所は通りがかりに目が入る位置で、電源が近い
  • 自動ロックの時間を延ばし、開くたびにパスコードを入れずに済むようにした

最後の1つは地味ですが効きます。共有端末は「開くまでの手数」が使われるかどうかを決めます。

まとめ

  • 共有のiPadは、置く前に「誰が触るか・何を見せるか・どこに置くか」を決めておく
  • 共有端末からの操作は共有アカウントの記録になる。個人の記録を残したい操作は各自のスマホから
  • 材料費を見せるかどうかに正解はないが、決めないまま置くのは避ける
  • 置き場所の条件は、目が入る・電源が近い・作業の場所に近いの3つ
  • バックヤードなら在庫と発注の定位置に、フロアから見える場所ならタイマーのボードに

スタッフとの在庫の共有については「美容室の在庫管理をスタッフ全員で共有する方法|属人化を仕組みで解消」で、iPadでの在庫管理そのものは「美容室の在庫管理をiPadで|iPhoneとの使い分けと向き不向き」でくわしく書いています。

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著者: SALON STOCK編集部。表参道の美容室で働く現役美容師が、サロンの在庫・材料費管理のために開発した「SALON STOCK」を運営しています。

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