2026-09-04SALON STOCK編集部(現役美容師運営)

美容室の在庫管理をiPadで|iPhoneとの使い分けと向き不向き

先に結論を言います。美容室の在庫管理はiPadでもできます。ただ、全部をiPadに寄せるのは正解ではありません。棚の前で数える・バーコードをかざすといった「動きながらの作業」はiPhoneのほうが速く、材料費を見る・今日どこに頼むかを決めるといった「座って考える作業」はiPadのほうがはるかにラクです。

この記事では、iPadで在庫管理をすると具体的に何が変わるのか、どの作業に向いていてどの作業に向いていないのか、そして2台をどう使い分けるとムダがないのかを整理します。

iPadにすると何が変わるのか

機能が増えるわけではありません。変わるのは「同時に見える量」です。

iPhoneの画面は縦に細長いので、情報はどうしても縦一列に積み上がります。今月の材料費を見て、要発注の一覧を見て、発注先ごとの合計を見て——と、ひとつ見るたびに開いて戻るの往復が発生します。1回はたった数秒でも、これを毎日やっていると「確認するのがちょっと面倒」という気持ちが積もっていきます。在庫管理が続かない理由は、たいてい機能不足ではなく、この小さな面倒の積み重ねです。

iPadは横に広いので、この往復がまるごと減ります。左に今の数字、右に今日やることを同時に置けるからです。

SALON STOCKも、iPadを横向きにするとホーム画面が左右に分かれます。

  • 左:今月の材料費、登録商品数、要発注の件数、入荷待ちの件数、今月のうごき
  • 右:発注アクション(今日どの発注先に頼むか)、要発注リスト、入荷待ちリスト

iPadを横向きにしたホーム画面。左に材料費と今月のうごき、右に発注アクションと要発注リストが並ぶ

左は動かない要約、右だけがスクロールします。朝いちばんに開いたときに、「今月いくら使っているか」と「今日どこに頼むか」が一度に目に入る。これがiPadで在庫管理をする一番の値打ちだと思っています。

商品一覧と発注管理も、広い画面では2列で並びます。商品一覧は発注先ごとの見出しはそのまま横いっぱいに、その下の商品だけが2列。発注管理は発注先のカードが横に並ぶので、「A社は送料無料まであと少し、B社は今日でなくてもいい」という比較が、スクロールなしでできます。

iPadの商品一覧。発注先の見出しは横いっぱいのまま、商品だけが2列に並ぶ

iPadに向いている作業・向いていない作業

作業 向いている端末 理由
今月の材料費を見る iPad 数字とグラフを一度に見渡せる
今日どこに何を頼むか決める iPad 発注先ごとの合計を並べて比べられる
発注サイトを開いて発注する iPad 卸サイトの画面が大きく、品番を読み間違えにくい
商品を探す・並べ替える iPad 2列で一覧できる
バーコードをかざして登録・棚卸し iPhone 片手で持って棚の前を移動する作業
納品書を撮って読み取る iPhone カメラを構える距離と重さの問題
入荷のチェック iPhone ダンボールの横でやる作業

SALON STOCKでiPad向けに広く使うように整えたのは、ホーム・商品一覧・発注管理の3画面です。スキャンと入荷は手に持って作業する画面なので、あえて今までどおりの表示のままにしてあります。「大きい画面に合わせて全部作り直す」ことが目的ではなく、座って考える画面だけを広く使うという考え方です。

2台をどう使い分けるか

おすすめは、持ち出すのはiPhone、置いておくのはiPadという分け方です。

iPhoneは動く場所、iPadは決める場所。同じアカウントで見ている在庫は同じもの

同じアカウントでログインすれば、データはどちらも同じものを見ています。棚の前ではiPhoneでバーコードをかざし、バックヤードに戻ってiPadで数字を眺める。同じ在庫を、別の距離で見るイメージです。

具体的な1日の流れにすると、こうなります。

  1. 朝:バックヤードのiPadを開く(置きっぱなしなので、開くまでが速い)。左の材料費と、右の「今日はA社の発注日です」を確認する
  2. 日中:新しい商品が入ったら、iPhoneでバーコードをかざして登録。使い切ったボトルもその場で減らす
  3. 夕方:iPadで発注先ごとの要発注をまとめて確認し、そのまま卸サイトを開いて発注

大事なのは、「考える場所」を1か所に決めてしまうことです。判断する場所が決まっていると、在庫管理は驚くほど続きます。

準備するもの

特別なものは要りません。

  • iPadが1台(iOS 15.1以降。数年前のモデルでも問題ありません)
  • iPhoneと同じアカウントでログインすること。招待や再設定は不要です
  • 置き場所と電源。バックヤードの、通りがかりに目が入る位置がおすすめです

SALON STOCKのiPad対応に追加料金はかかりません。1人で運営しているサロンなら、基本の在庫管理は端末が何台でもずっと無料です。

よくある質問

iPhoneとiPadの両方に入れると、データは二重になりませんか?

なりません。データはクラウド(サーバー上)にあり、端末はそれを見ているだけです。iPhoneで登録した商品は、iPadを開いたときにはもう入っています。

縦向きでも使えますか?

使えます。縦向きのときは今までどおりの1列表示になります。左右に分かれるのは横向きのときだけです。数字を並べて見たいときは横、じっくり1つの商品を見たいときは縦、という感覚で大丈夫です。

古いiPadが余っているのですが、それでいいですか?

はい。むしろ在庫管理の「置き端末」は、余っているiPadの使い道としてちょうどいいと思っています。iOS 15.1以降であれば動きます。

まとめ

  • 美容室の在庫管理はiPadでもできる。ただし全部をiPadに寄せる必要はない
  • iPadで変わるのは機能ではなく「同時に見える量」。開いて戻るの往復が減る
  • 横向きにすると、左に今の数字・右に今日やることが同時に並ぶ
  • 商品一覧と発注管理は、広い画面では2列で表示される
  • バーコードのスキャンと入荷は手に持つ作業なので、iPhoneのほうが速い
  • 持ち出すのはiPhone、置いておくのはiPad。同じアカウントでデータは共通

在庫管理そのものの基本は「美容室の在庫管理を効率化する方法|アプリとエクセルを徹底比較」で、バーコードでの登録は「バーコードで美容室の在庫管理|スマホ1台でできる登録・棚卸し・入荷処理」でくわしく書いています。

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著者: SALON STOCK編集部。表参道の美容室で働く現役美容師が、サロンの在庫・材料費管理のために開発した「SALON STOCK」を運営しています。

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