2026-09-07SALON STOCK編集部(現役美容師運営)

フリーランス美容師の材料管理|サロンと自宅に在庫が分かれる問題

シェアサロンの自分のロッカーに入る量は決まっている。だからセールでまとめ買いしたカラー剤の箱は、自宅の廊下に積んである。面貸しやフリーランスで働いていると、たいていこうなります。

サロンの材料置き場をそのまま使える働き方と違って、自分の材料が最初から2か所に分かれているのがここの特徴です。そして置き場所が2つになった瞬間から、面倒なことが2つ起きます。あるのに発注してしまう。あるのに切らす。この2つは正反対に見えて、原因は同じです。

「サロンにいくつ」と「全部でいくつ」は別の数字

自宅にストックを置いている人が在庫表を見るとき、頭の中では2つの数字が混ざっています。

  • サロンにいくつあるか — 今日の施術で使える数
  • 全部でいくつあるか — 発注するかどうかを決める数

この2つは役割がまったく違います。今日カラーを塗れるかどうかを決めるのは前者で、お金を使うかどうかを決めるのは後者です。

ところが在庫表は普通、1つの数字しか持っていません。サロン分だけを書けば「全部で足りている」ことが見えず、合計を書けば「今日サロンに無い」ことが見えない。どちらを選んでも片方が見えなくなります。だから「あるのに発注」と「あるのに切らす」が両方起きるんです。

起きていることを分けて見る

置き場所が2つあるとき、現場で起きる状態は実は3通りしかありません。

① 全部で足りている。サロンにもある 何もしなくていい状態です。

② 全部では足りている。ただしサロンに無い このとき必要なのは発注ではなく、自宅から持っていくことです。ここで発注してしまうと、家に在庫があるのにまた買うことになります。

③ 全部で足りない ここで初めて発注です。

置き場所が2つのときに起きる3つの状態。合計で足りていてサロンにもあれば何もしない、合計は足りるがサロンに無ければ自宅から補充、合計で足りなければ発注

つまり、置き場所が2つになると、「補充」と「発注」という別々の動作が生まれるということです。1つの在庫表で回している限り、この2つは区別できません。「足りない」としか出ないので、反射的に発注してしまいます。

数え方のルールは2つだけ

紙でもアプリでも、決めることは同じです。

1. 発注するかどうかは「合計」で決める サロン3本・自宅5本なら、判断に使うのは8本です。サロンの3本だけを見て発注点を割ったと判断すると、家の5本が永遠に眠ります。

2. 今日動くかどうかは「サロンの数」で決める 合計が足りていても、サロンが0なら今日は困ります。ここで必要なのは「持っていく」であって「注文する」ではありません。

この2つを分けて書くだけで、二重管理の面倒はほとんど消えます。逆に言えば、分けずに1つの数字にまとめた瞬間に、どちらかが必ず見えなくなります

この働き方は、切らしたときの逃げ場が無い

サロン勤務なら、切らしても店の在庫を借りられます。フリーランスはそれができません。自分の分が無ければ、その日の施術が止まります。だから多めに買う。多めに買うから自宅に積む。積んだぶんを数えていないから、また買う。この一周が、材料費が読めなくなる原因です。

同じ形は、置き場所が増えるところなら全部で起きます。シェアサロンを2か所使い分けている人、当日分だけ持っていって残りは家に置いている人、2号店を出したばかりの人。置き場所の名前が違うだけで、起きることは同じです。

共有の材料と自分の材料が混ざるほうで困っているなら、そちらは別の記事にまとめてあります。→ 面貸し・業務委託サロンの在庫管理|共有と個人の分け方

SALON STOCK での2段在庫

在庫管理アプリ「SALON STOCK」には、この2段を扱う機能があります。

設定でサブの保管場所をONにすると、商品ごとにサロンの在庫と、もう1か所の在庫を並べて持てるようになります。場所の名前は自由に変えられるので、「自宅」でも「倉庫」でも「2号店」でも構いません。

サロンと自宅で在庫を分けて持てる商品詳細画面。サロン0・自宅4と並ぶ

動きは上に書いた3通りそのままです。合計が発注点を下回れば発注として上がってきます。合計は足りているのにサロンだけが足りないときは、発注ではなく補充として出ます。持っていったら、画面上でサロン側へ動かします。発注する数の計算も合計を基準にするので、家にある分をもう一度買ってしまうことがありません。

2段在庫はProプラン

正直にお伝えしておくと、この2段在庫はProプランの機能です。無料プランでは在庫を1か所として数えます。1店舗・置き場所が1つなら、無料のままで困ることはありません。まず無料で試して、置き場所が増えたらPro、という順番で十分です。

まとめ

  • 置き場所が2つになると、「あるのに発注」と「あるのに切らす」が同時に起きる
  • 原因は、在庫表が1つの数字しか持っていないこと
  • 発注するかは「合計」で、今日動くかは「今いる場所の数」で決める
  • 置き場所が2つあるときの状態は3通り。②の「合計は足りるがサロンに無い」は発注ではなく補充
  • 自宅・倉庫・2号店、名前が違うだけで起きることは同じ

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著者: SALON STOCK編集部。表参道の美容室で働く現役美容師が、サロンの在庫・材料費管理のために開発した「SALON STOCK」を運営しています。

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