2026-08-28 ・ SALON STOCK編集部(現役美容師運営)
カラー剤の調合計算|比率にパーセントが混ざったときの出し方
「1剤と2剤を1:2で、そこに10%のトリートメントを足す」。この一文、パッとグラムが出ますか。
比率だけなら、慣れれば暗算でいけます。総量100gで1:2なら、33gと67g。これは問題ありません。難しくなるのは、そこにパーセントが混ざった瞬間です。
しかも厄介なことに、この「10%」が何に対しての10%なのか、サロンによって数え方が違います。ここが調合計算の一番のつまずきポイントだと思っています。順番に整理します。
まず、比率だけの計算
基本の形から確認します。
各剤のグラム = 総量 ÷ 比率の合計 × その剤の比率
総量120gで、1剤と2剤を1:2で混ぜる場合はこうです。
- 比率の合計 = 1 + 2 = 3
- 1剤 = 120 ÷ 3 × 1 = 40g
- 2剤 = 120 ÷ 3 × 2 = 80g
3剤以上でも同じです。1:1:2なら合計4で割って、それぞれに掛けるだけ。ここまでは、電卓があれば誰でも出せます。
パーセントが混ざると、急に難しくなる
問題はここからです。「1:2 に、10%の添加剤」という指示が来たとき、10%をどこに掛けるかで答えが変わります。

しかも、どれが正解というものではありません。メーカーの指定、サロンの慣習、教わった人によって流儀が分かれます。現場には大きく3通りあります。
総量100g、1剤:2剤 = 1:2、添加剤10%、という例で並べてみます。
数え方1:総量の10%(仕上がりが必ず総量になる)
添加剤を「できあがり100gのうちの10g」と考えます。残った90gを1:2で分けます。
| 剤 | 計算 | グラム |
|---|---|---|
| 添加剤 | 100 × 10% | 10.0g |
| 1剤 | (100−10) ÷ 3 × 1 | 30.0g |
| 2剤 | (100−10) ÷ 3 × 2 | 60.0g |
| 合計 | 100.0g |
作りたい量がきっちり決まっているときに使いやすい形です。
数え方2:基剤の10%(それでも仕上がりは総量になる)
添加剤を「1剤+2剤の10%」と考えます。ただし、できあがりは100gに収めたい。そのために基剤の量を逆算します。
| 剤 | 計算 | グラム |
|---|---|---|
| 基剤の合計 | 100 ÷ 1.1 | 90.9g |
| 添加剤 | 90.9 × 10% | 9.1g |
| 1剤 | 90.9 ÷ 3 × 1 | 30.3g |
| 2剤 | 90.9 ÷ 3 × 2 | 60.6g |
| 合計 | 100.0g |
「10%」の意味を守りつつ、総量も守る形です。この逆算は、暗算ではまず出ません。
数え方3:基剤の10%を上乗せする(合計が増える)
添加剤を「1剤+2剤に対して10%を足す」と考えます。この場合、できあがりは総量を超えます。
| 剤 | 計算 | グラム |
|---|---|---|
| 1剤 | 100 ÷ 3 × 1 | 33.3g |
| 2剤 | 100 ÷ 3 × 2 | 66.7g |
| 添加剤 | 100 × 10% | 10.0g |
| 合計 | 110.0g |
「1剤・2剤はいつも通りで、そこにプラス10%」という感覚に一番近い数え方です。
同じ指示なのに、答えが違う
3つを並べると、こうなります。
| 数え方1 | 数え方2 | 数え方3 | |
|---|---|---|---|
| 1剤 | 30.0g | 30.3g | 33.3g |
| 2剤 | 60.0g | 60.6g | 66.7g |
| 添加剤 | 10.0g | 9.1g | 10.0g |
| 合計 | 100.0g | 100.0g | 110.0g |
まったく同じ「1:2に10%」から、3通りの答えが出ました。どれも間違いではありません。
ただ、お店の中でここがバラバラだと問題になります。スタイリストによって作る量が違い、レシピを共有しても再現できないからです。まずは「うちはこの数え方」と決めておくことが、たぶん一番大事です。
現場で計算ミスが起きる本当の理由
計算式そのものは、上に書いた通りで難しくありません。それでも間違えるのは、計算するタイミングが悪いからです。
手袋をしていて、片手にはボウル。頭の中では次のお客様の段取りが回っている。その状態で、スマホの電卓を開いて、100÷1.1をやって、3で割って、と積み上げていく。途中で声をかけられたら、そこで飛びます。
そしてもう一つ。電卓は、一度出した答えを覚えていてくれません。「あれ、さっきの1剤いくつだったっけ」でもう一度叩き直す。この叩き直しが、地味に一番時間を食っています。
調合の計算ミスは、材料費にも効いてくる
もう一歩踏み込むと、調合の精度は在庫や材料費にも繋がっています。
多めに作って余らせれば、その余りはそのまま捨てることになります。1回あたりは数十円かもしれませんが、これが毎日、全スタッフ分だと、けっこうな金額になります。逆に足りなくて作り足すと、今度は時間のロスと、色の再現性の問題が出ます。
「作りすぎ」を減らす話は美容室の薬剤ロスを減らす方法で、メニュー1回あたりの薬剤コストの出し方はメニューごとの原価計算のやり方で書いています。
SALON MIX を作りました
この計算だけをやるアプリを作りました。「SALON MIX」といいます。

やることは1つだけです。総量を入れて、比率を打つ。パーセントの剤はワンタップで切り替える。それで各剤のグラムが出ます。上に書いた3つの数え方は、最初に自分のサロンの流儀を選ぶだけで、あとはずっとその基準で計算されます。
- キーパッドだけで完結。手袋のまま、画面の上のほうに指を運ぶ必要がありません
- 比率とパーセントが混ざった配合(1:2:10%:5% など)にそのまま対応
- よく使う配合はプリセットに登録できて、計算履歴も自動で残ります
- 小数点は第1位/第2位を切り替え可能
- 完全無料。ログインも会員登録もいりません
- 入力した配合は端末の中にだけ保存されます。計算は端末内で終わるので、電波の入らないバックヤードでも動きます
→ SALON MIX の詳細を見る / App Store で入手
まとめ
- 比率だけの計算は「総量 ÷ 比率の合計 × その剤の比率」。難しくない
- 難しくなるのはパーセントが混ざったとき。同じ「10%」でも数え方が3通りある
- 総量の%/基剤の%(総量を守る)/基剤の%を上乗せ(合計が増える)で、答えが変わる
- どれも間違いではないが、お店の中では1つに統一しておくこと。でないとレシピを共有しても再現できない
- ミスが起きるのは式が難しいからではなく、施術中に電卓を叩き直しているから
- 作りすぎた分の余りは、そのまま材料費のロスになる
SALON MIX は完全無料。登録もいりません。 App Store で入手 / 在庫と材料費まで見るなら SALON STOCK
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著者: SALON STOCK編集部。表参道の美容室で働く現役美容師が、サロンの在庫・材料費管理のために開発した「SALON STOCK」と、調合計算アプリ「SALON MIX」を運営しています。
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