2026-09-07 ・ SALON STOCK編集部(現役美容師運営)
店販と材料費は分けて考える|利益の見え方が変わる
「今月の材料費率、ちょっと高いな」と思って中身を見てみたら、実はシャンプーやスタイリング剤といった店販商品の仕入れが混ざっていた——という経験はありませんか。
僕自身、在庫を数え始めた最初のころは、施術で使う薬剤も、お客様に販売するホームケア商品も、なんとなく同じ「材料」として一緒くたに数えていました。でも、この二つはお店にとっての役割がまったく違います。分けて数えるようにしてから、材料費率だけでなく、お店の利益の見え方そのものが変わりました。今日はこの「分け方」について、やさしく整理してみます。
材料費と店販商品は、そもそも役割が違う
まず前提を整理します。
- 施術材料(カラー剤・パーマ剤・トリートメント剤など)は、施術というサービスを提供するために消費するコストです。仕入れた分は、いずれ使ってなくなります
- 店販商品(シャンプー・トリートメント・スタイリング剤など)は、お客様に販売して売上を作る商品です。仕入れた分は、売れれば売上に、余れば在庫として残ります
同じ「棚にある商品」でも、片方は使うと消えるコスト、片方は売れると売上になる資産。役割がまったく逆なんです。ここを同じ財布で数えてしまうと、材料費率という数字が何を表しているのか、あいまいになってしまいます。
一緒に数えると、何が見えなくなるのか
たとえば、月の売上が150万円、施術材料の消費が15万円だったサロンで、そこに店販商品の仕入れ5万円を足して「材料費20万円」として計算してしまうと——
20万円 ÷ 150万円 × 100 = 13.3%
本来の施術材料費率は10%(適正ゾーン)なのに、店販の仕入れを混ぜたことで13.3%まで跳ね上がって見えてしまいます。「材料費が高い、どこかを削らなきゃ」と焦って、実は削る必要のない施術のクオリティにまで手を付けてしまう——というのは、避けたい事態です。材料費率の目安については美容室の材料費率とは?でくわしく書いていますが、この数字は施術材料だけで見て、はじめて意味を持ちます。
逆に、店販商品の側にも見えなくなるものがあります。店販は「売れば売上になる」商品なので、本来は仕入れ値と販売価格の差=利益率で見るべきものです。材料費というコストの箱に押し込めてしまうと、「店販がちゃんと利益を生んでいるか」という、本来見るべき視点が抜け落ちてしまいます。
分けて数えるとどうなるか
分け方自体は難しいものではありません。登録するときに、その商品が「施術で使うもの」か「売るもの」かを区別しておくだけです。
分けておくと、こんなふうに見え方が変わります。
- 材料費率は施術材料だけで正確に出せる。本来の適正ゾーン(8〜12%程度)と比べて、実態に合った判断ができる
- 店販の在庫も、施術材料と同じように「今どれだけあるか」「発注のタイミング」を追える。ただし数える意味は「使い切る」ためではなく「欠品させずに売り続ける」ため
- 店販商品をレジ(Square等のPOS)と連携させている場合は、会計が完了した時点で在庫が自動で減っていく。施術で「使った分」を記録するのと考え方は同じで、動いた分だけ在庫から引かれる仕組みです
在庫管理アプリ「SALON STOCK」では、商品を登録するときに店販商品のスイッチを入れるだけで分けられます(アプリの表示は「客販商品」です。カテゴリーも自動で切り替わります)。材料費率の計算はこのスイッチが入っていない商品だけを対象にする仕様なので、店販の仕入れが混ざって数字がぶれる心配がありません。それぞれの在庫は同じ画面で追えるので、「分けて数えるために管理が二重になる」ということもありません。
まとめ
- 施術材料は「消費するコスト」、店販商品は「売って利益を作る商品」。役割が違う
- 一緒に数えると、材料費率が実態より高く見えたり、店販の利益が見えなくなったりする
- 登録の段階で分けておけば、材料費率は施術材料だけで正確に、店販は店販で在庫と売れ行きを追える
- 出発点は、やっぱり「今何がどれだけあるか」を分けて見える化すること
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著者: SALON STOCK編集部。表参道の美容室で働く現役美容師が、サロンの在庫・材料費管理のために開発した「SALON STOCK」を運営しています。
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